東京での展示会も好評のうちに終了し、気がつけばもう節分。寒いがしかし、梅薫る初春らしい時節となりました。
本年初出品は金製装身具残欠一括をアップしました。掌にのる小箱にチン、と5つの純金金具がならぶ様は、これらの金具を寄せた数奇者の細やかな配慮とセンスを感じさせます。箱には「唐金髪飾」と書かれておりますが、中でも左右を飾る半月状の金具には「幻の」粒金細工がびっしりと施されており、六朝〜唐の工人の超絶技巧に脱力する思いです。これは私の想いとして記しておきますが上の雲形金具のみ和様を感じさせ、正倉院の色香が微かに匂います。およそ1300年余の時を経て手許で愛玩できる事は誠に尊いことですね。
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