弁財天曼荼羅
Benzaiten mandala
ご売却済み
- 時代
- 室町時代(15-16世紀)
- 伝来
- 個人コレクション
- サイズ
- 高 1980mm/幅 370mm
- 付属品
- <br /> 桐箱
室町時代に描かれた弁財天曼荼羅です。中尊である八臂弁財天の上には三光天子(*)が描かれており、左側から日天子(太陽)、明星天子(星)、月天子(月)の並びに配置され、下には十五童子と二人の稚児、荷車と牛、馬が描かれております。
室町特有の目の粗い絵絹に細密に描写されており多少胡粉の剥落があるものの、全体の墨線は健在で色抜けは少なく補筆もありません。配色のバランスが極めてよく、要所に施された金泥彩にも古作らしい趣を感じます。古裂表具は上下に緞子、中廻しには亀甲紋の金襴を取り合わせ、軸端は鍍金の彫金金具です。
管見にすぎませんが、弁財天曼荼羅に三光天子が加わった図像はいまだ実見したことがなく、密教の別尊曼荼羅とも垂迹曼荼羅ともちがう、混沌とした中世の信仰形態を現したところに本作の魅力と希少性があります。
(*)
日・月・星の三つの尊称。中央に位置する明星天子は虚空蔵菩薩の化身とされ、剣と宝珠を持った姿で描かれている。