金銅五鈷鈴
Five-pronged Bell
ご売却済み
- 時代
- 鎌倉後期〜南北朝
- 伝来
- 個人コレクション
- サイズ
- 高 173mm
- 次第
- 黒柿上製箱
五鈷鈴とは金剛鈴の一種で、密教修法のとき諸尊を驚覚し歓喜させるために振り鳴らす法具です。本品は全体的に定型化したおとなしい先行きを見せますが、杷部の牛骨形を描く脇鈷やおおきな嘴形、基部の薄い鈴部には制作年代よりも古様な印象を受けます。鍍金がよく遺っており、長らく寺内で伝世したことを示唆しております。鈴底部には「イ」銘の毛彫がありますが、伝来寺は不明です。
確かな重みが具わった良質な地金により、天に抜けるような涼やかな音を奏でてくれます。鑑賞する者を冷え枯れた密教寺伽藍へと誘ってくれる、盛期中世における金剛鈴の規範的作品といえるでしょう。