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nakagami

高麗青磁 陽刻菊花文輪花形盞・托

高麗青磁 陽刻菊花文輪花形盞・托

Cup and Stand  Celadon with incised chrysanthemum design

時代
高麗時代(12世紀)
伝来
コレクター
サイズ
盞:高 62mm、径 74mm/托:幅 90mm、高 40mm
付属品
仕覆、中込、桐箱

北宋時代の喫茶や飲酒文化の風習を慕った高麗時代には、本作のような盞(碗)や托(台皿)が数多く作られました。貴族や官人のような高位の者にのみ使用が許された食器だけに、高麗時代の盛期(11〜13世紀初頭)には程よい緊張感をともなった薄作で清純な釉色をもつ作品が生まれ、どうやら中国の官人にも好まれたようです(北宋南宋の地層からはできのよい高麗青磁が発掘され、舶載輸出品が海底から揚がっております)。

本作はやや内かかえになった繊細な輪花形の口縁や安定感のある低く細いステム等、高麗時代盛期12世紀の作品で、口縁部には幕文様が、器壁には菊花文様が緻密に陽刻されており、更に盞の内壁から見込にかけても陽刻が施されていることから、とりわけ上作であることを示しております。フォルムや玉(ぎょく)を感じさせる柔らかい翡色(*1)には女性的な柔らかさを感じさせ、12世紀の陽刻盞としては高いレベルにまで達した作品といえるでしょう。

内外に氷裂があり内側に微小な釉の腐食、外側に一箇所ヒッツキがあるほかは欠点や共色直しはございません。

五脚の托は脚が二本破損しておりますので参考品扱いですが通常の托よりも小振りで珍しい作品で「世界陶磁全集(18)高麗」にも同手作品が掲出されております(*2)。

 

 

*1

翡翠石を想起させるような萌黄色の様子(中国では玉感の強い青磁が嗜好されている)。我が国でも五代から北宋時代に中国の越州窯で製作されたできのよい青磁が招来され、平安貴族からは「翡色(ひそく、秘色とも)」と呼ばれ喜ばれた。

 

*2

「世界陶磁全集18高麗」(小学館編)64頁。本作の盞の輪花が十弁なのに対し、托に施された蓮弁は九弁だが、盞と托とのサイズ感に違和感なく色や氷裂の関係性が近しい点など、ペアの蓋然性は低くない。

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