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宗教美術を

nakagami

馨

Kei (Bronze Gong)

時代
平安時代(12世紀)
伝来
松田光(古美術蒐集家)
サイズ
幅 158mm
付属品
桐張込箱

馨(けい)とは、読経の合図に鳴らされる仏具の一種です。打楽器を出自に持ち、古代中国では雅楽の演奏にも用いられていました。わが国では奈良時代より製作が始まり、平安時代には密教寺院において必須の仏具となりました。

 

本作は中世の馨と比較しますと薄く、小振りに作れられております。キャストは鮮明とはいえませんが、両面の中央には蓮華形の撞座をもち、表面には二羽の孔雀を。裏面には蓮花を鋳出しております。右側のみ孔尾を上げた形式は平安後期の遺品に多く見られ、裏面の蓮花には平安時代らしい、穏やかな風気を感じさせます。

 

この馨は仏教美術研究者・蒐集家の松田光先生の旧蔵品で『小さな蕾』誌の連載「仏教美術の脇役たち」の2017年3月号に所載されており、松田先生の旧蔵品であることを証明する直筆の管理番号と所蔵印も付属いたします。

 

欠損もなく叩き痕はごく自然な風合いで、状態はきわめて良好です。平安後期(12世紀)までさかのぼる馨は稀少性が高く、めったに市井へ出てまいりません。ご検討いただけますと幸いに存じます。

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