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春日神鹿厨子

春日神鹿厨子

Kasuga Shinroku Zushi (Kasuga Divine Deer Miniature Shrine)

時代
桃山時代
伝来
個人コレクション
サイズ
高 140mm、幅 85mm
付属品
延寿箱、正絹包裂

春日神鹿図の板絵を嵌めた、小さな厨子です。このような作例は未見ですが、春日宮曼荼羅彩絵舎利厨子(東京国立博物館蔵)や大阪の藤田美術館蔵の春日厨子などと同様、神鹿が描かれた板絵じたいが簡略化された舎利であり、春日明神の本地を釈迦如来とした神仏混淆をしめす遺品という理解でよいと思います。

 

板絵の神鹿は体毛の一本一本まで細密に描かれ、小さくとも古作の鹿曼荼羅図を彷彿とさせます。状態もよく、顔料の剥落はほとんど見当たりません。沃懸地にした厨子には隈取りが大きく丁寧な作の金具が嵌め込まれており、まことに品のよい出来栄えです。

 

近世初期の作品とはいえ春日信仰を伝える遺品はまことに希少で、次回はいつ出逢えるかわかりません。神道美術がお好きな方は、この機会をお見逃しなく。

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