New
南法華寺 小型独尊塼
Small Dokuson-sen from Minamihokke-ji Temple
650,000円国内販売価格
- 時代
- 飛鳥時代(7世紀)
- 伝来
- 保井芳太郎〜個人コレクション
- サイズ
- 66×48mm(厚 11mm)
- 附属品
- 桐張込箱、史料のコピー
南法華寺(壺阪寺)の小型独尊塼です。このタイプの塼(*1)は表面に金や銀を塗布し南法華寺の内陣壁面を荘厳していたものと思われます(京都国立博物館に収蔵されている同品の塼面には白土が残り、国宝に指定されている東京国立博物館の同個体からは銀の成分が検出されております)。
本品は左上部に欠けがあるものの大部が遺り、また表面のスレも少なく良好な状態を保っております。現状前述のような彩色は残っておりませんが、保井芳太郎(*2)氏の著書『大和上代寺院志(昭和七年/大和史學會)』に所載された現品になります。現在、保井氏の膨大な収集品は天理大学附属図書館に収蔵されておりますので、この塼は参考館に収蔵される以前に割愛されたか個人の愛好品であった可能性があります。
同形式の塼が大分県の虚空蔵廃寺にもみられますが、南法華寺と比較して厚作であること、また保井氏の同書でも南法華寺出土と明記されていることで本品は南法華寺の塼であるとほぼ確定できます。状態がよく、また伝来寺が判明する白鳳小型塼は大変希少です。どうぞこの機会にお求めください。
(*1)
陶土を型に取り、低下度で焼成した小型で板状の仏尊で、寺院壁面の装飾または個人礼拝用として用いられた。中国にその起源があり、もっとも盛んに製作されたのは白鳳期から奈良時代(7世紀後半から8世紀前半)にかけてで、平安時代からはごく僅かしか用いられていない。
(*2)
奈良県の郷土史家。奈良県王寺村の郷土研究ならびに大和史関係の古文書や古記録を収集。著書『大和上代寺院志』『大和古瓦図録』などをあらわした。昭和20年3月13日死去。氏の膨大なコレクションは天理大付属図書館にうつされ保井文庫となる。