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金銅勢至菩薩立像

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金銅勢至菩薩立像

Seishi Bodhisattva

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時代
鎌倉〜南北朝時代(14世紀)
伝来
個人コレクション
サイズ
高 166mm(本体 144mm)
附属品
桐箱

善光寺式阿弥陀三尊像(*1)の両脇侍、御本尊の右側におわす勢至菩薩像です。全国の寺院蔵のもの、あるいは館蔵品の多くは鍍金を施さない青銅の立像が多いものの、本品は伝世の鍍金に包まれた、稀にみる美像です。

 

静かな笑みを浮かべた端正な御尊顔や流麗な衣紋の表現など、仏教工芸としてひとつの到達点をみるようです。工芸全般にいえることですが姿形の「形式化」はとかく悪とみなされ、初源のやわらかなフォルムや線質が尊ばれる傾向にありますが、「形式化(完成)されたよさ」という世界もあると思います。本像には衣紋のドレープや宝冠などに形式的な表現が存在しますが、生硬さは希薄で「これこそ善光寺式脇侍の理想形である」と看破しているようにみえます。小像ながらキャスト(鋳抜け)もよく、いまは別れてしまった御本尊ならびに左側の観音菩薩も素晴らしい出来栄えではなかったかと、在りし日の光景を想います。

 

ミュージアム・ピースといっても差し支えのない、素晴らしい勢至菩薩像です。

 

 

(*1)

信州善光寺の本尊、一光三尊形式の阿弥陀如来立像が日本仏教の古式に則っているとされ、鎌倉時代以降、全国各地で製作された。中尊に阿弥陀如来像、両脇侍として右手に勢至菩薩、左手に観音菩薩が配される。

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